鯉は龍や虎、鳳凰などと並んで和彫り刺青の代表的な図柄です。
勇猛に滝を駆け上がる昇り鯉は立身出世をイメージさせる大人気の図柄です。

こちらの記事では、鯉について詳しく解説します。

※文中の画像は全て日盛の作品です。

日本人に愛される生き物、鯉

真鯉は紅葉や桜など副題がより一層映えます

鯉は日本伝統刺青の世界では非常に人気の高い図柄です。野生の勇猛な鯉は英語でcarp、鑑賞魚はkoiと呼ばれ海外でも愛されています。

日本人には馴染みの深い生き物でありながら、5月5日端午の節句には鯉のぼり(鯉幟)として、男児がこれからの人生での苦難を突破できる、勇猛な子に育ってほしいとの願いを込めて天高く上げられます。

なぜ鯉のぼりに難関突破の願いを込めるのか。

立身出世の象徴、鯉と登竜門

鬼の抱き鯉

鯉には『登竜門』という言い伝えがあります。
物事を成し得る為の関門という意味で広く知られる『登竜門』という言葉は、中国の故事成語です。

『竜門』という場所は中国の黄河中流付近に実在し、大変な急流の滝です。
この滝を昇り切った鯉は龍に成る、と昔から言い伝えられてきました。
これが後々の『登竜門』や『鯉の滝登り』といった言葉として現代に生きています。

竜門を昇り切った鯉は龍となります

自身の昇華の為には苦難の突破が必須、一匹の鯉が勇猛且つ一心不乱に急流の滝『竜門』を駆け上がり龍へと成り上がる様を人は空想し、立身出世の象徴として古くから愛してきました。

一匹鯉の真骨頂が昇り鯉にある理由がここにあります。

また、『昇鯉』と書いて『勝利(ショウリ)』と読むこともできる。
一人の人間として、『成功』や『成りたい自分』への道のりの中、苦難を乗り越える決意を想いに込めることが出来る図柄だと思います。

鯉の種類

真鯉

黒のボカシが濃い真鯉は、カバーアップにも最適

全身が真っ黒な鯉です。勇猛で男らしい印象から夫婦鯉等の図柄ではオスに見立てられることが多いでしょう。
当スタジオでは一色のみの真っ黒ではなく、ハイライトに落ち着いた黄色〜茶色といったインクを混色していくことで、鮮やかなのに落ち着いた色合いの真鯉を表現します。

一匹鯉として表現する際は、図柄としては全体的に黒く濃い色の印象になります。
紅葉や桜などの副題が映えるため、鮮やかな副題と非常に相性が良い図柄です。

また、真鯉は黒という最も濃い色を多用するため、元々入っているイタズラ彫りを綺麗に隠すことができ、カバーアップに適した図柄だと言えるでしょう。
気になるヤケド跡や切りキズ等の上から彫れば、ほぼ目立たなくなります。

緋鯉

全身が真っ赤な鯉です。艶やかで綺麗な印象です。夫婦鯉で表される際は、メスのイメージとなるでしょう。

紅白・大正三色・昭和三色

品種改良を重ねて作られた『変色』と呼ばれる種類です。
白・赤・黒の組み合わせで、非常に華やかな印象の鯉となります。

こちらもその絢爛なイメージから夫婦鯉で表される際は、メスのイメージとなるでしょう。


初代日盛一門

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