エイズ・C型肝炎等の血液感染症防止の衛生管理徹底について

刺青・TATTOOのリスクイメージとしてよく耳にするのは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス/エイズ)/C型肝炎等の感染症の危険性についてです。
NISSEI TATTOOでは実際の医療機関の衛生管理に準拠し、滅菌・器具の廃棄を徹底しております。

エイズ・C型肝炎等の血液感染症防止の衛生管理徹底について感染症とは?

まずは基本的なことですが、感染症についてです。ポピュラーなものでは風邪やインフルエンザ等に代表されますが、定義としては病原菌(細菌・ウィルス・寄生虫)を媒介として人体に悪影響を及ぼす症状です。
風邪やインフルエンザは感染者の咳、くしゃみ等から空気感染により爆発的にウィルスを増やすので感染力は強いですが、一般的に抵抗力のある健康な成人であれば死に至ることは少ないです。

一方、前述のHIV(ヒト免疫不全ウイルス/エイズ)、C型肝炎といったウィルスは、血液感染・性的感染・母子感染など、通常の状態では弱く感染しにくいものの、特殊な環境下では感染の確率がグンと上がります。
具体的には『薬害エイズ事件』でも有名ですが、感染者の血液が付着した注射針をそのまま使い回していたり、避妊具を使用せず性行為を重ねたり…といった行動です。こういったケースでは感染の確率は格段に跳ね上がります。
万が一、刺青施術の際に針を使い回した場合、当然ながら上記の注射針のケース同様に感染の確率は高くなります。

※HIV(ヒト免疫不全ウイルス/エイズ)やC型肝炎がどれほど恐ろしい病気かについては、又の機会に記事を書きますね。

じゃあ感染症はどうやって防ぐの?

皆さんは外科で手術を受けた時の『メス』、歯医者で治療をした時の『ドリル(エアータービン)』、献血時の『注射針』、あれって関係機関ではどういう処理をしていると思いますか?
どれも患者の血液が付着し、ドリルに至っては口内粘膜という非常に繊細な箇所の施術器具です。

実は3つのうち使用の都度廃棄するのは注射針くらいです。
『メス』は最近では非常に性能が良くなったことで高価なものとなり、常時廃棄するにはあまりにコストがかかってしまいます。『ドリル』も同じです。

ではどのように感染症対策を行っているのか。答えは『滅菌』です。

『滅菌』『殺菌』『消毒』『洗浄』の違い

メスやドリルを感染症の危険無く、安全に使用する為には『滅菌』という作業を行います。
『滅菌』とは、対象物に付着している一切の細菌を『芽胞(一部の細菌が形作る最も耐久性の高い細胞構造)』レベルで不活性化させ、死滅させることです。
こういった処理を行っているから医療機関では、器具の再利用が可能なんですね。

『洗浄』は汚れを落とすこと、『殺菌』は割合を問わず菌を殺すこと(極端な話、一割殺菌して九割の菌が活動していても『殺菌』したと言えます)、『抗菌』は菌の増殖を抑えることです。ここまでは有害な菌が活動している可能性が高いので、医療器材の使用としては不十分ですね。

『消毒』レベルになってやっと、「病原性のある有害な微生物を、その対象物を使用しても害のない程度まで減らすこと」という定義となります。
『滅菌』は更に上の「有害・無害を問わず、全ての微生物又は細菌を殺滅すること」になります。いわゆる無菌状態を作り出すことです。

当スタジオでの衛生管理

初代日盛一門-NISSEI TATTOO-では、こうした一切の『滅菌・消毒』及び『洗浄』における機材・薬品を完備し、衛生管理を徹底しております。
施術時に使用する針・インク・インクキャップ・サージカルグローブ等、血液の付着の可能性がある消耗品は全て廃棄します。
また、針の廃棄については堅牢なプラスティック製のバイオハザードボックスを使用し、然るべき方法にて処分しております。

廃棄が不可能なグリップ・チップについては下記の機材を使用し、『滅菌』した上で使用しておりますので、感染症の心配等はありません。
以下に滅菌の手順に沿って機材のご紹介をします。全て医療機関でも実際に使用されているものです。

超音波洗浄機


非常に高い周波数の超音波を電子的に発生させ、微細な気泡の発生と破裂を繰り返します。
気泡破裂の際のエネルギーによって汚れを落として洗浄しますが、その威力は摂氏10,000℃に達し1平方センチメートル辺り3.5tの荷重に達します。

実際の洗浄では界面活性剤と適温の水分を併用し、30分以上に渡り洗浄を行います。これで完全に汚れを洗浄し、『滅菌』の準備は万端です。

高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)

『滅菌』作業工程で使用する機材です。

当スタジオでは2気圧の状況下で135℃、30分以上の処理を行っております。
この行程で有害・無害問わず一切の細菌が死滅します。

又、当スタジオでは定期的に高圧蒸気滅菌器自体のストレステストを行い、常時正常作動を確認した上で運用しております。

紫外線殺菌消毒保管庫


極めて高い殺菌効果を持つ紫外線殺菌灯(15W×2灯)合計30Wを搭載した保管庫です。
こちらに滅菌後の機材は保管し、新たに白鮮菌・大腸菌・結核菌等の感染ウィルスの付着を防いでおります。

 

 

 

 

衛生管理の不備におけるリスクについて

よく海外旅行先で安かったから、と言う理由でタトゥーを彫ったという話を聞きますが、衛生管理はしっかり出来ているかどうかは必ず確認してください。感染してからは遅いです。
現在HIV/C型肝炎等の感染症への完全な治療法は見付かっておりません。
また上記二つの感染症には非常に長い潜伏期間があります。せっかく思い入れのあるものを彫っても、4~10年後に突然症状を発症した場合に、どこに責任を追及し、どこに損害賠償を請求すべきかもわからなくなります。

早期発見のために、HIVは無料、B/C型肝炎検査は医療機関で3,000円程度で受けられますので、心当たりのある方は関係機関に問い合わせてみてください。
刺青・TATTOOの日本における社会的な芸術価値の向上を願うならば、やはり感染症対策・衛生管理については万全を期す必要があると考えています。この記事を読んで、お客様自身も十分に理解して頂ければ幸いです。


初代日盛一門

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